2015.4.1「個人事業主の事業の法人化について」

起業・創業を容易化して、新たな事業の創出による経済活動の活性化を図る観点から、

平成18年の会社法改正によって最低資本金規制の撤廃、取締役の人数の規制緩和が行われ

会社が設立しやすくなりました。

このため個人事業主が事業の拡大、発展のために会社を設立して法人化する例が増加して

います。 法人化には合同会社設立、株式会社設立がありますが後者が圧倒的に多いのが

現状です。

 

個人事業主の皆様にとって事業の方向性を検討して、法人化が妥当であることの確認を

最初に行います。

ア、事業を継続・拡大・発展させて行く方針、見通しを立て、計画化して確認します。

  専門的なスキルを持つ従業員の採用によって、受注を拡大できるあるいは事業を組織

  化してより大きな仕事を受注できる、また事業所の拡張や新規借り上げによって事業

  を拡大できる等。

イ、事業の法人化により経理、利益、税負担がどのように変化するか確認します。

 

事業の法人化のメリットとしては以下の事項を挙げることができます。

ア、信用が高まり、広告、宣伝によって取引先の拡大あるいは事業範囲の拡大を

  図ることができます。 また専門的なスキル等を有する従業員を採用し易くなります。

イ、役員の退職金を損金として処理できます。

ウ、個人事業主と法人との税率の違いにより、収入規模等によって節税となる場合が

  あります。

エ、決算期を任意に設定することができます。

オ、事業の子供等への承継が容易になります。

 

事業の法人化のデメリットとしては以下の事項を挙げることができます。

ア、定款作成、設立登記等の初期費用が必要でありまた登記事項の変更の都度変更の登記

  が必要となります。

イ、取引先からの売上は会社の収入として計上され、経営者は役員として定められた報酬

  を受ける立場になります。  このため、可処分所得が減少する場合があります。

ウ、複式簿記による会計帳簿の記帳と決算処理及び法人税の申告等、事務処理が増加しま

  す。 また決算について広告すること(官報等)が必要となります。

エ、社会保険が強制適用となり、保険料の半額を会社が負担することになります。

オ、定款に基づき定時株主総会を開催する必要があります。

 

事業の法人化の主なステップは以下のようになります。

ア、会社設立の基本事項の検討、決定

  商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、発起人、取締役、株式の発行、出資金、

  現物出資、払込金融機関、事業年度、株主総会、広告の方法等

イ、定款の検討、作成

ウ、定款の公証人による認証

エ、出資金の払い込み等

オ、登記書類の作成

カ、会社設立登記申請

キ、事業用の資産・負債の引継ぎ

ク、各種契約の会社への名義変更

ケ、官公庁への届出

 

個人事業主の事業を法人化する場合は、当事務所にご相談下さい。

法人化を包括的に支援させて頂きます。